不便 転じて「益」となる
2022/04/03
戸田市、相模原、岩槻区でドライバーを募集しております、株式会社アジェクトです。
さて、
「不便益(ふべんえき)」という言葉をご存知でしょう
か?
あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
その名の通りあえて不便な方法を選ぶことによって得られる益のことで、ある大学の教授が20年以上も研究し
ています。
不便益には二つの側面があります。
一つは何か不便と感じることについて、別の視点から見ることで新しい発見を得られるというもの。
もう一つは、不便益を与えるような新しいシステムやビジネスを作り出すものです。
「別の視点で見る」例としては、普段から使っている鉛筆を鉛筆削りではなく、あえてナイフで削ることがあり
ます。
削っている時間は無心になることができ、キレイに削れた時は満足感や充実感が得られます。
また、子供の頃の遠足のおやつは300円以内でした。
遠足前日に悩みながらお菓子売り場をグルグルまわった方も多いのではないでしょうか。
当時はかなり悩んだあの体験も、今となれば良い思い出です。
富士山の頂上まで一気に上がれるエレベーターがあった
らどうでしょうか。
とてもラクですが、苦労をしながらでも登山して見るご来光という醍醐味がなくなってしまいます。
一方、「不便益を与えるような新しいシステムやビジネスを作り出す」例としては、使うたびに地図がかすれて
消えていく「かすれるナビ」というサービスがあります。
同じ道を3回通るとその部分の地図の表示が薄くなって
しまうもので、普通のナビを使った人に比べて、通った道の周りの風景を覚えている傾向が高くなりました。
消えてしまう道を覚えようと頭を使った結果であると考えられています。
ほかにも様々な事例が生まれている不便益はZ世代と呼ばれる人たちにも広がっています。
デジタル音源で簡単に音楽を持ち運べる、聞ける時代で
すが、今あえて手間のかかるレコードを聴く人が増えているのもそのひとつです。
研究では、「不便」から8つの「益」が得られるとされています。
その中でも、先述の例からは
1.工夫できる、
2.「私だけ」感が得られる、
3.主体性が持てる、
4.能力低下を防げる
などの「不便益」が得られたと考えられます。
文章を書く時の漢字変換がPCやスマートフォンで簡単に
できるなど、自分のアタマを使う機会が減り、何でも便利になっている世の中で、「わざわざ不便に戻らなくて
も…」と思ってしまうかもしれません。
便利になった時代だからこそ一度立ち止まり、あえて面倒な事を選ぶことで、違った角度・視点から考えたり感
じたり出来る機会も増えるのではないかと、とても興味深く感じました。
「不便」という言葉を「日々を楽しむ」エッセンスとして捉え、日頃の生活や仕事について考えるヒントにして
みませんか?